フランスのスーパーに行くと、写真のように陳列されている大量の牛乳は常温で販売されていて、日本やアメリカから行くと一瞬違和感があります。これはUHT (ultra high temperature) 法という殺菌方法で処理されている牛乳を、気密性の高い容器に無菌的に充填する方法を用いているようで、なんと3ヵ月も常温保存できます。フランス周辺の国々ではほとんどの牛乳がこの方法で販売されています。
我が家では1リットルの牛乳が休日なら2日くらいでなくなるので、未開封で3ヵ月も常温保存できる牛乳ならまとめ買いができると当初は喜んでいました。そしてフランスで初めてスーパーに行ったときに予定通り6本まとめ買いし、これで2週間くらいは牛乳を買いに走らなくてもよいのだ!と思って早速1本冷蔵庫で冷やしました。
ところが、食事のときにその奇跡の牛乳を長男が一口飲んで、「まずっ!」(次男はごくごく飲んでいた)。そんなにまずいはずはないと思い私も飲んでみたら、なるほど今まで飲んでいたものとは違う…それでも6本もあるから数回飲んでいくうちに慣れるだろうと思って無理やり飲ませていました。
翌日も翌々日も長男から持続的なブーイングがあり、ついにこちらも断念。再びスーパーに出向くと、常温保存牛乳とは別の売り場にlait frais(新鮮な牛乳)と書かれた牛乳を見つけました。常温保存牛乳は写真のごとく種類豊富なのに、lait fraisは1種類だけ!レアものでした。これの味には長男も納得し、今では元通りに牛乳を飲むようになりました。
フランスでは日々牛乳を買いに走らなくてもよいのだ!という私の小さな夢は消え去りました。