10カ月間フランスで子供たちと一緒にすごしながらINSEADでMBA生生活を送ってきました。一番よく聞かれる質問、
「はたして子育てとMBAは両立できるのか」という質問にそろそろ答えたいと思います。
はっきりいって無理です。一人では無理に決まっています。
単身で渡仏しているMBA生でもヒーヒーいうINSEADの一年間です。子供がいる生活は、
1.
寝坊なし(我が家の場合、規則正しく週末でも午前6時台に起きます)
2.
週末は遊んでしまう(ずっと家にいると我が家の子供たちはストレスがたまるためものを壊し始めるため、外出で外のものを壊してもらっています。そんな努力もむなしく我が家は賃貸なのに今ではすっかり自分のうちのごとく荒れています)
3.
子供が寝るまで勉強を始められない(夕食、シャワー、寝かしつけなど一連のルーチーンをこなしているとだいたい一日に3時間かかります)
むろん、子供さんの年齢によってはさらに大変だったりもします(授乳中とか)。
でも大丈夫。両立は無理ですが勉強も子育ても
「中途半端」にこなしましょう。私のlife storyを形容するにはぴったりな単語
、「中途半端」。
「両立」というのはバランスよくすべてを90-100%こなしているような雰囲気のある単語ですので、INSEADと子育ての
「両立」は無理だと私は思います。
我が家ではINSEAD前半はアメリカから実母が応援にきており、後半はオペアさんを住み込みで雇っています。それでやっと
「中途半端」と
「両立」を足して2で割ったくらいの状態です(だいぶ
「中途半端」寄り)。
私の場合は子供たちがわりと大きくなってからのMBAですが、友人でINSEAD生ながら出産した女性が2人います。その方たちのケースを紹介しましょう。
より衝撃的なケース:フランス人女性、32歳。初産。試験中だったため破水後もテストを受け続けた。出産の翌日にも試験があったがこれはさすがに休み、ちょうど冬休み(3週間)に入ったため3週間後に社会復帰してすぐに試験を受けた。今後離婚予定。P1からP5までブランクなし。現在生後4カ月になる赤ちゃん(♂)は一緒に住んでくれている実母が平日お世話をしてくれる。お母さんは毎週週末パリに帰ってしまうので、週末は一人で赤ちゃんの世話をしている。
より衝撃の少ないケース:フランス人女性、30歳。初産。P1は私と一緒に受け、P2からP5までは1つ下のプロモーションと共に受けている。つまり、昨年11月から今年2月末まで産休。4カ月間のブランクのためMBA生活は本来10カ月のところ16カ月になる(夏休みをはさむことになってしまったため)。出産時に硬膜外麻酔を使用したが麻酔医がいわゆるデュラパン(硬膜を破って脊髄液がもれる状態にすること)をしたため退院が延期となった。現在赤ちゃん(♂)は平日の日中近所に住む「保育ママ」に預けられている。夫婦円満。
その他、ご主人が大学院生や青年実業家でわりと時間的に余裕があり自由の利くご家庭は子供の世話を日中ご主人がしているところもあります(個人的に3組くらい知っています)。ご主人が仕事で忙しいおうちは住み込みのナニーを雇ったり、実母が応援にきたりしています。夫婦とも同時期にINSEAD生の方たちもやはり日中ベビーシッターさんにお世話になっているようです。
女性向けに話をしましたが、お父さんも頑張っているINSEADです。INSEAD中に奥さんが出産した子育て真最中パパや、子供たち2人のお世話を奥さんと協力し合いながらこなしている成績優秀者パパもいます。
INSEADではみんなスーパーピープルです。